『だんな様はひろゆき』を読みました

 

 

西村博之氏のyoutube動画をラジオ感覚で聴くのが私の中のちょっとしたブームだ。実業家なイメージしかなかったが、「生活コストは上げるな」、「貯金をしろ」、という倹約家な一面があることに最初は惹かれた。私はひろゆき氏の発言を聴いていて、彼はとにかく「それっぽく言う」能力が高い人だと思った。時々矛盾はあるし、相手に対してデータを求めたりするわりには、「気がするんですけどぉ」で本人は済ませていたりする辺り割と適当というかわがままというか。しかし、私はひろゆき氏のそういう緩さも好感を持っている。社会で生きていくスキルというのは結局、「それっぽく言う」能力というのが私の持論だ。学問として研究した人が顧客にベストな商品を薦められるか、といったら意外とそうはいかないのが現実ではないか。深く研究もしていないが、知識だけはさらっとあって、そういう人が接客として輝いたりする。学校で優等生だった人より成績そこそこで愛嬌のあるお調子者みたいな人がどんな仕事もやってのけたりするのが現実問題面白いなと思う。ひろゆき自身よく、「社会で生きていくスキルは・・・」と発言する。小学生にもひろゆき氏の発言はうけているらしいが、はっきり「義務教育や世間の建前上求められているものは本当に活きてくるのか」を答えてくれるのがレアな存在なんだろう、と分析している。

それでひろゆき氏に対する興味が最高値にある状態で本書を読んだ。ひろゆき氏の「彼女っていうか奥さんっていうか家内っていうか細君っていうか・・・」にあたる人物・西村ゆかさん視点のひろゆき像を面白おかしく漫画にされたのがこの本である。パリでひろゆき氏とどんな風に暮らしているか、どういう出会いだったのかがざっくり知ることが出来る。個人的には「ひげおやじ」さんの登場をもっと期待していた。が、まだ漫画はネット上で更新されているらしいのでこれからそこは楽しめるかもしれない。(やったー!)

本書を読んでいて意外だったのは、ひろゆき氏が雑誌の定期購読をしたい、とゆかさんに申し出る回である。雑誌の定期購読をすることでスマホが無料で貰える、というシステムを利用したかったみたいだが、超倹約家のひろゆき氏でも「そこは釣られるんだ・・・」と思ってしまった。「これは本当にお得な割引なのか?」というセンサーは女性の方が強いのかも知れない。女性の方が買い物してきた回数が圧倒的に違うのは間違いない。

あの中々曲者な夫・ひろゆき氏を皿洗いを出来る男に誘導したりする回は普通に感心させられた。子育てや部下の指導にも使えそうなエピソードである。

パリに住みながら家にずっと居てきゃっきゃしながら配信したり、奥さんとスーパーに行ったり個人的にめちゃくちゃ羨ましい生き方をしている。その上かなりお金ももう持っている。ひろゆき氏がゆかさんと出会った経緯や、「好きだ」と実感する瞬間についても案外さらっっと描かれているので読みすかった。事細やかに語られたらその分何らかの印象が失われそうだったけれどそういうのはなかった。次巻はいつ出るのだろうか。次巻が出たら多分買います。